風車の種類と特徴

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世界の風力発電機導入規模 平均風速別風力発電稼働率 風力発電の弱点と風力階級表
主たる日本の局所風 風車の強風対策 都道府県別風力発電導入実績
積雪と太陽電池 従来の波力発電機 防災技術が変わる

水平軸風車

プロペラ型風車
風力発電機において最もポピュラーな存在。小型から大型まで多用され、最近ではブレード(羽根)の直径が70m以上あるものも登場し大型化の傾向を辿って来たが、運搬や組立作業の制約もあり、これ以上の大型化は難しいのではとの見解もある。

飛行機のプロペラと同じブレード断面形状で、高速回転を特徴とする。流体力学的に風車の翼数が少ないほど高速回転するとされ、一枚翼や二枚翼の大型機も散見されるが、一般的にバランスが優れる三枚翼が圧倒的に多い。

高速回転に優れた特性を有すが、反面、騒音問題や首振り運動による効率ロスや故障問題などを抱え、起電(カットイン)風速(4〜5m/s)が高く、強風時の「回り過ぎ」危険対策としてカットアウト(約25m/s)による稼働率の低さや維持管理費や装置のコストアップが指摘される。

トップウエート(重心)が高く、常に不安定な首振り駆動やブレード制御は難しく、強風対策装置が複雑で精工になればなるほどかえって故障が増える嫌いがあり、台風被害や落雷などによる損壊事故は多発している。

オランダ型風車
オランダ観光のシンボルとして有名な風車。工作し易い四枚羽根で一見するにプロペラの祖先と思われ易いが、ブレードの断面は浮揚型とは違っている。昔から試行錯誤を重ね翼面積は大きく回転トルクは大きい。脱穀作業や排水作業などパワフルなエネルギーとして歴史的に定着した事実は軽視出来ず今後ハイテクとの融合による復活も有り得るかもしれない。

木製の羽根の部分に帆布(軽量フレキシブル素材)を張りゆっくり回る。回転速度は遅いもののトルクが大きく、電気時代以前に風の力を物理的回転エネルギーに変換して利用しようとした英知がうかがえます。

中世以降から脱穀・製粉・揚水・排水など重労働単調作業に使われて来たもので、当時は人力により風の来る方向に羽根を向けていました。尾翼を風車に取り付け風向きに対応して自動的に風車の向きを変える事は知っていたようですが、土着密着型農業において季節ごとの風向きや風力を熟知しており、首振り装置の製造コストや修理作業などからシンプルな構造を選んだのかもしれません。

三角帆型風車
三角帆を張った風車で、古くから発達した帆船技術の応用との起言説を唱える者が多い。場所や季節などに対応して翼の形状や枚数などにより回転速度を調整する。

地中海のクレタ島付近で、主として製粉や揚水に利用されて来た風車で、弱い風でも起動し騒音も少なく風車を作るに難度も低く各地に広まり定着している。

この風車に関する研究者は極めて少ないことから忘れ去られようとしている風車であるが、アフガニスタンや後進国家などの応用に復活させたいものである。

多翼型風車
羽根の枚数が多く低速回転ながら高トルクが自慢である。弱い風でも回転し、アメリカ中西部の農家や牧場を中心に揚水用として活用されて来た風車である。

プロペラ型と違って風の方向に風車が真正面に向かず横向きに回転する。尾翼も風車の回転面が並列になって回転する事を特徴とします。回転力が強く音は静かでありアマチュアでも容易に風車を拵えたり修理も出来る事から海外ボランティア活動において中小型の揚水動力源として活用されている。

日本古来の井戸堀技術と手動式ポンプと当風車技術の水不足国家への技術移転は是非期待したいものである。
垂直軸風車

S字型風車
最も古い形の風車で風の抗力(抵抗)によって回転する。板をS字状に折り曲げて板面の中央部分を回転軸に取り付けるだけなので最も簡単に作れる風車だが、風力をエネルギーに変換する能力は低い。昭和40年代に日本にて店頭の小型看板に多用された事がある。

パドル型風車
ロビンソン風速計に利用される風車で、風に押されて回転し抗力型風車のタイプに属し、風速以上の速度で回転する事は出来ません。

半球形の受風面(凹部)を持つ風車で製造は簡単であるが風力をエネルギーに変換する能力は低い。

風を受ける方のパドルに対して、反対側のパドル凸部にも風が当たるため、回転方向に風の抵抗が加わり、回転速度が上がらない。

最近では「風向風速計」を兼ねる事の出来るプロペラ式風速計に座をゆずり、シンボルやモニュメントとして利用されるケースが多い。

ダリウス型風車
飛行機の翼と同じ断面をしたブレードを縄跳びのカーブと同じ弓形に曲げて垂直軸に取り付けた揚力型の風車である。

起動トルクは極めて小さく、自力での回転開始は不可能であり、起動のためにモータや他の風車の力を借りるなど様々な工夫が必要となる。

形がスマートで珍しさから人目を引く事からモニュメントに適しているが、施工面に難しさがあり安全面や安定支持のため外枠囲みを設ける事が多く今一の感が有る。

ジャイロミル型風車
ダリウス型の改良型と言われ、飛行機の翼と同じ断面を持つ垂直翼型風車である。羽根の取り付け角度を変えながら揚力を使って回転するものから、羽根背面部の構造を飛行機の翼と同じ形状とするも羽根腹部内をつの字のようにくり抜き風の抗力により起動させる仕組みのものまで改良が進み、自力で回転開始が可能となり、回り始めると周速比は高く回転トルクも高く注目度は高い風車である。

構造がやや複雑であり高速回転することから、人間の出入りが予想される場所や手狭な作業環境での設置は安全面から問題視され今後「強風対策」への一層の改善が望まれている。

起動面における脆弱性が色々な研究により改善が進んだとはいえ乱流や強風時における揚力型の過回転などへの危険対策やカットアウト装置などコスト面の課題が残されている。

サボニュース型風車
サボニュース型風車は、上記パドル型風車の欠点を改良したものであり、空洞上の円筒を縦半分に切って左右互い違いに円周方向に多少重なり合う部分を残しずらして組み合わせた形で相対させ、二つのバケット(半分割された円筒)の間を通り抜ける風が、反対側バケットの裏面に風が流れ込むようにすることにより、回転方向に押す作用と向かい風の抵抗を抑える力となり、回転効率を上げている。

抗力型風車の代表格とはいえ、風が持つエネルギーの10数パーセントの利用にとどまります。周速比は1以下で音は静かであり、弱風でも起動性が良く大きなトルクを発生します。首振り無しで全方位取風が可能であり、堅牢性を有している。

クロスフロー型風車
細長い湾曲状短冊の羽根を上下の円板外周縁部に適度な角度を付け等間隔に多数設け、外部の風を羽根の隙間から内部空洞部を風が貫流して反対側(風下)の羽根の隙間から外部へ排出しつつ一定方向に回転する風車である。

風の取風は無指向性で首振り駆動せずに全方位からの風を受けて回転する。起動トルクは最大という特徴を有し自力起動性は優れている。回転速度は低いが回転トルクは高く音は極めて静かであり、エアコン等の送風に多用され、風車生産量はプロペラ機に比べ遜色は無い。

左回転のクロスフロー風車の場合、風上面の左半分の風は風車を回転する方向に有効作用するが、右半分の風は回転方向運動に抵抗作用となり回転速度は上がらない。

ガイドベーン付き
クロスフロー型風車
ガイドベーン付きクロスフロー型風車は、クロスフロー風車の欠点を改良した風車である。周囲に設けられた複数のガイドベーン(固定板)により抵抗になる風を防ぎつつ、回転に有効な羽根の部分に風を整風しながら誘導し、羽根の隙間から風を取り入れ風車内部に風を貫流させ風下側の羽根の隙間から風を排出させ回転効率を飛躍的に高めている。

工学院大学の赤羽研究室(現在退官)の開発実験では昭和59年公表データではエネルギー変換効率は29%内外であったがその後の改良によりプロペラ並みの効率を得ている。

この風車の特徴は、起動トルクが最大であり弱風域からのカットインが可能であり、周速比が低いが回転トルクは高く稼働率が高く強風に強い首振り駆動せず全方位取風が可能であり、プロペラ機の如く風洞実験結果と屋外実証データの隔離が少ない事が上げられる。強風に耐える原因として貫流式であることから一定の風量以上になると取風の限界があり周速比が高くなり得ないことが指摘されている。音は静かであり回転部が外界に出ておらず安全性に優れている。


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